電子ラボノートはいくつか出ていますが,心理学者が使うには少々高いです。eLabFTWは,オープンソースの電子ラボノートになり,設置するサーバーさえこちらで用意すれば,eLabFTW自体はフリーで導入できます(サーバー費用は別途かかります)。インストールもDokcerを使うので,難しくなく,こちらのドキュメントを参考にすれば,すんなり導入できるかと思います。

サーバーの準備

サーバーは各自好きなものを用意すればいいですが,ここではGoogle Compute Engineを使って,仮想マシン(VM)を使います。まず,好きな構成&Ubuntu 18.04 LTSでインスタンスを作成します。その際に,httpとhttpsを開放しておきます。構成はご予算と相談で決めてください。また,常時稼働させるならそのままでもいいですが,ちょくちょくインスタンスを止めるなら,静的外部 IP アドレスを使うといいかと思います。また,インスタンスを立ち上げた際に得られる外部IPアドレス(もしくは静的外部IPアドレス)をご自身のもっているドメインに登録してください(セキュリティ上HTTPSが良いのでLet’s EncryptをつかってHTTPS化するのですが,その際にドメインが必要です)。

仮想マシン(VM)に必要なソフトをインストール

Docker

VMにSSHで接続して,ターミナルで以下を実行して,Dockerをインストールします。

sudo apt-get update
sudo apt-get install \
    apt-transport-https \
    ca-certificates \
    curl \
    gnupg-agent \
    software-properties-common
curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo apt-key add -
sudo apt-key fingerprint 0EBFCD88
sudo add-apt-repository \
   "deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/ubuntu \
   $(lsb_release -cs) \
   stable"
sudo apt-get install docker-ce docker-ce-cli containerd.io

docker-compose

docker-composeをインストールします。

sudo curl -L "https://github.com/docker/compose/releases/download/1.24.0-rc1/docker-compose-$(uname -s)-$(uname -m)" -o /usr/local/bin/docker-compose
sudo chmod +x /usr/local/bin/docker-compose
sudo ln -s /usr/local/bin/docker-compose /usr/bin/docker-compose

dialog, git, zip

dialog, git, zipをインストールします。

sudo apt-get update -y
sudo apt-get install -y dialog git zip unzip

eLabFTWのインストール

公式のドキュメントに書いてあるとおり,以下を実行して,eLabFTWをインストールします。

curl -sL https://get.elabftw.net -o elabctl && chmod +x elabctl
sudo mv elabctl /usr/local/bin/

以下を実行するとターミナル画面上にインストール用の画面がでてきますので,順番に以下を選択します。

「OK」 → 「Looks good to me」 → 「Server」 → ドメイン名がある場合「yes」 → ご自身の用意したドメイン名を入力して,「yes」 → 「Use HTTPS」 → 「Use correct certification」→ 「Use Let’s Encrypt」→ メールアドレスを入力して「OK」

sudo elabctl install

終わったら以下を実行して,eLabFTWを開始します。

sudo elabctl start

インストール後

すぐにアクセスして,アドミン用のパスワードなどの設定をする。また,公式ドキュメントにしたがって,eLabFTWからメールを送れるようにSMTP2GOに無料登録して設定する。

バックアップ

以下のコマンドで,/var/backups/elabftw/にバックアップが作成される。

sudo elabctl backup

Let’s Encryptの更新

90日でLet’s Encryptの証明書が切れるので,更新する。以下のようにやればできるはずだが・・・上手くいかず・・・これはちょっと先延ばし

# stop webserver
sudo docker exec elabftw supervisorctl stop nginx
# renew certificate
sudo certbot renew
# and start the webserver again
sudo docker exec elabftw supervisorctl start nginx

日本語化

eLabFTWは,様々な国の言語に翻訳されている(各研究者がボランティアで翻訳して,それが反映される。詳細はこちら)。日本語版については,国里が翻訳をしており,次のバージョン(現在3.3.9)で日本語化されるのではないかと期待している。翻訳には自信はないので,もし日本語化された際に,問題を見つけたら,こちらまでご連絡ください。